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ZIP圧縮と非圧縮のスペクトルデータファイルサイズの違い

ハイパースペクトルデータの素晴らしいところのひとつとして、連続したスペクトル情報であることです。膨大なデータがあることで、様々な解析を行うことができます。しかし、連続したスペクトル情報であるがゆえに、ファイルサイズが膨大になります。

そこで当社では、データ保存時にZIP形式で保存できる機能を実装しています。

ハイパースペクトルデータのファイルサイズ

ハイパースペクトルデータのファイルサイズが大きい要因としては、画像の1ピクセルに対して、一般的なデジタルカメラであれば「赤:R 緑:G 青:B」の3つの情報が含まれています。しかし、ハイパースペクトルデータの場合は、バンド分の情報が含まれていることになります。そのため、必然的にファイルサイズが多くなります。そして、ピクセルの数が増える分(画像サイズが大きくなる)、ファイルサイズが大きくなることになります。

例えば、当社では開発・販売しているハイパースペクトルカメラにおいて、機種毎のハイパースペクトルデータの最大ファイルサイズは以下のようになっています。

 HSC1703-USB2HSC1803-USB3HSC1804-CL
(USB3変換ユニットVr)
HSC1804-CL2
(グラバーボードVr)
最大画像サイズ640×480px1280x1024px1920x1080px1920x1080px
最大ファイルサイズ44MB370MB585MB585MB

画像サイズが大きくなるに連れて、ファイルサイズも大きいことがわかります。ただし、画像サイズの他に、ビットサイズなどファイルサイズが増える要因はあります。

ZIP形式によるデータ圧縮を実装

当社が開発しているハイパースペクトルカメラ撮影ソフト-HSCamSharp-においては、データ保存時に圧縮して保存することが可能となっています。

圧縮形式としては、「.Net frameworkが提供しているZIP形式」に対応しており、ハードディスクなどの保存領域を節約することができます。

HSC1803-USB3のデータによる検証

実際にZIP形式にて圧縮保存を行うとどの程度ファイルサイズが小さくなるかHSC1803-USB3.0のハイパースペクトルデータを使って比較を行いました。

ハイパースペクトルデータイメージ | 北海道衛星株式会社
HSC1803-USB3 141band
データ容量
ZIP圧縮前370,626,560バイト
ZIP圧縮後186,314,752バイト
圧縮率約50%

.Net frameworkが提供しているZIP形式で圧縮を行った場合、約50%の圧縮率となっています。

ハイパースペクトルデータは、今後、機械学習などにおいて大変重要となってきます。ただし、データが大きいため、ストレージの容量が多く必要となってしまいます。

ハイパースペクトルデータの圧縮等についての研究に関してご興味がございましたらぜひとも弊社へご連絡ください。弊社では、疑似ハイパースペクトルデータなど任意のデータ配列にすることができるソフトウェアも開発しています。

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