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ハイパースペクトルカメラの開発の歴史2

ハイパースペクトルカメラの開発の歴史1に関しては、以下のより読むことができます。

北海道衛星株式会社は、長年国産のハイパースペクトルカメラの研究開発を行ってきました。

開発当初、ハイパースペクトルカメラは、多くの国内外メーカーにおいてハイパースペクトルセンサ/ハイパースペクトルラムセンサと呼ばれておりました。

「ハイパースペクトルカメラ」という呼称は、当社、代表取締役佐鳥新が北海道工業大学(現・北海道科学大学)で教鞭をとっていた際に、当社独自技術であるハイパースペクトルカメラの光学ステージスキャン(カメラ内部にてラインセンサを駆動)を考案/開発を行い命名いたしました。

また、この時期に、大学発ベンチャー北海道衛星株式会社を立ち上げました。

参考URL:https://hokkaido-sat.co.jp/company/history/
参考URL:https://hokkaido-sat.co.jp/r-d/hsc-msc-history/

多くの技術者の協力の元、基板むき出しのハイパースペクトルカメラから始まり、航空機搭載型ハイパースペクトルカメラ、人工衛星搭載型ハイパースペクトルカメラの開発によるノウハウをスピオフさせた現在のハイパースペクトルカメラがあります

さて、ハイパースペクトルという技術は、、スペクトル情報から対象物を識別するという特色から軍事目的での利用が進められていました。森林に隠れている施設などの検知です。そして、農業や海洋汚染などに利用へと応用分野が広がってゆき、海外メーカーを中心として、様々なスペクトルセンサという商品が研究開発が進み製品化されはじました。

航空宇宙分野においては、人工衛星によるスペクトルデータによる観測は、長年行われてきており、無償で提供されているものや有償で得られるものがあります
日本においては、最近、ISSに設置されたHISUIがあります。

参考URL:https://ssl.jspacesystems.or.jp/project_hisui/

近年、ハイパースペクトルを含むスペクトル技術が注目されてきたのは、やはりコンピュータの処理能力が高くなったおかげだと考えます。

当社のハイパースペクトルカメラで得られるデータ容量は、44MB-585MBです。概ね、NDVI(正規化植生指数)のような複数の波長を組み合わせた解析手法であれば、ハイパースペクトルカメラの開発当時のPCの性能でも解析を行うことができました。

しかしながら、全波長のハイパースペクトルデータを用いた処理やリアルタイムに解析を行うとなると処理に大変時間がかかってしまいましが、現在では、コンピュータの性能が上がり、解析に要する時間の改善や解析の幅が広がってきました。

当社でも、リアルタイムによる教師データを使った計測対象検知のアルゴリズムがノートPCで行うことができたり、深層学習などに応用したりと研究の幅が広げております。

これからも、今後もクラウドサーバーや分散コンピューティング技術、量子コンピュータなどによるデータ処理の速さや処理の効率化が図られていき、解析アルゴリズムの最適化などもありますが、ハイパースペクトルカメラ及びハイパースペクトルデータの利活用の幅は大幅に広がっていくことかと思います。

確かに、コンピュータの処理能力が上がったので、複雑な解析が可能にはなりましたが、やはり無駄なデータというものは必ず出てきます。

そのため、以下に効率的データを整理整頓させ、余分な処理を行わないようにするかが今後の課題と考えています。

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